しずく出張報告
- 2017.12.21 Thursday
- 15:18
みなさんこんにちは!!
しずくスタッフの木明です
今回は、9月からしずくに加わったスタッフの出張報告です
では、どうぞっ!
障がい者になって初めて公共交通機関での旅
みなさん、ごきげんよう!(^^)
手と手スタッフのすずきです!
みなさんは、バリアフリーレジャー事業って聞いたことはありますか?
檜山地方の管内7町が連携して、ノーマライゼーションの理念のもとで
地域ぐるみで取り組んでいます。
今回、その地域関係者と住民にむけてのセミナー講師補助で、
今金町、厚沢部町の二つの会場に、車椅子で公共交通機関で行った際の
お話です。
<わたくしは・・・・・>
私は、病気の後遺症で半身マヒになり、車椅子ユーザーになって、まだ三年未満の初心者です。
ついこの前までは、仕事にプライベートに動き回って生活をしていました。
旅行も大好きで、国内のみでなく海外にももっと出かけようと楽しみにしていましたが、車椅子ユーザーになってからは、近場すら移動が難しいので、
遠出などましてや、公共交通機関の受け入れ態勢や設備に不安がありJRでの旅行はあきらめていました。
幸いなことに、今回、仕事で行く機会に恵まれて、
不安を感じて、あーだのこーだの言っている場合ではなく
今回行ってみたことで色んなことが分かったのでその体験を
お伝えしようと思います。
<JRの指定席をとるには・・・>
今回分かったことで、ハードルが取り除かれた嬉しいことのひとつに
JR指定席の予約の取り方です。
車椅子の場合、移乗が出来ない人はそのまま居られるスペースが必要ですし、
座席シートに移乗出来る人は、車椅子の収納スペースが必要ですし、
介助者や同行者には隣席にいてほしいですし。何と言っても、
急に移動が出来ないのでトイレの配置も重要な問題になります。
人から聞くお話と、問い合わせをしたJR職員さんによると、
予約をするにはインターネットのホームページ「えきねっと」で会員登録をしての予約か、直接窓口に出向いての、どちらかでなければ指定席の予約購入は出来ないと。「電話でのサービスは現在はしていません。」との回答でした。
そうなると・・・
私も含めて簡単には窓口に行くことが出来ない人。
パソコン操作が苦手な人。
ネットが出来る環境にない人。
普通の席でなく車椅子で利用の指定席が必要で
代行の人もいなく、自らが手配しないといけない場合は、ここでお手上げです。
でも、あったんです!朗報です☆
実際に011−222−6131に電話をしてみると、
確かに『お電話でのサービスは終了しました。』とアナウンスがありますが、
そのまま聞き続けていると・・・
音声ガイダンスで『車椅子でご利用の指定席は4番を』と流れてきて、
4番を選択すると直接会話をして購入ができる事が分かりました!!
ですが、パソコン画面や電話では、車両のスペース、設備がわからないのです。
納得のいく席を確保するには、乗車券を買いがてら窓口に行って、スペース席を見せてもらうのがベストなんです。
自分で容易に窓口に行けない人は、とりあえずは、電話でもできます!から
電話の際に希望を細かに伝えて、
あれこれと訊いてみたらいいと思います。
<地下鉄〜JR札幌駅改札>
車椅子ユーザーでも行動的な人はご存知と思いますが、
地下鉄は乗車前に窓口に申し出すると、職員さんがホームと車両の間に板渡しをして乗降を手伝ってくれますから安心です。
混雑時は自分で声を出して乗客の皆さんに協力をお願いする場面もあるかも知れません。
ただラッシュ時の車中での方向転換はかなり困難です。
極力避けた方が無難です。
地下鉄降車後の札幌駅、
地下からJR改札口に向かうために、
地上に上がるエレベーターも、お天気によっては、
どれに乗るかがとても重要になります。
それは・・・
車椅子だと手動の人はこいでいると手がふさがっていて、
電動でも、私のように片方しか手が使えないとハンドル操作していると・・・
雨の時は傘がさせません。
雪が積もればタイヤが埋まったり、スリップしたりします。
一度埋まってしまうと、自力での脱出は不可能です。
以前、ふつうに歩行が出来た時には、思ったこともない気付きもしなかった事で諸々と条件がついてきます。
<窓口のカウンターの高さが・・・・・>
無事にJRみどりの窓口に着くと、
早朝にもかかわらず、いったい何時に起きて準備したのだろうか?の
バッチリメイクのカウンターレディーを眺めて、お疲れ様だなーと感心して。
車椅子になって分かりましたが,視線、視界が違うのです。
この高さは、小学生以来です。
対車椅子では窓口カウンターが高くて、
台上の提示されたチケットに何が書いてあるかが確認できない!
そんな高さです。
同行者がいたからいいけれども、ちょっと配慮がほしいなー!
と感じました。
改札口を抜けて、乗車までを案内してくれるJRの係りの人と、
待ち合わせ時間と場所を確認したら、その時間まで一息、コーヒータイム。
私はコーンスープ。あ〜あったかい!
気持ちが舞い上がっているせいか
つい、急いで飲んで口の中がヒリヒリ・・・!!!(笑)
<座席スペースがあずましい(北海道方言でおちついて心地よいの意)>
約束の時間になり、係りの人に誘導してもらいスロープ、エレベーター経由でホームにて列車を待っていると、車掌さんが「車椅子席は〇号車にあります」と少し先の方に移動を勧めてくれるけど、そこでは、予約のタイミングで隣席が空いていなくて、同行者とは離れ離れの席。私と車椅子がポツンと座ることになってしまうので・・・
そこで、今回はひとり孤独ではないのだし、しかも、
いろんな車両のスペースを熟知している同行者だから、
二人で並んで座れる指定席のある車両の席を取ってくれたので。
そこは車掌さんには丁重にお断りをして。別の車両に乗りました。
電動車椅子は可能な限りたたんでもらい、デッキのキャリーバッグ収納のスペースに駐車をしてもらって。
さあ、出発です!^^
昔見た、飲み物お菓子の車内販売。買いもしないのになんだか嬉しい!(笑)
車窓には晴天の空と太陽に照らされた景色がまぶしい!うれしい!!
お仕事とはいえ、障がい者になって初めての旅をお天気も応援してくれているなと思いました。なんといっても、旅慣れをしている同行者がいてくれる心強さであんしん。 あ ず ま し い!
下車駅の長万部が近くなり、車椅子に移乗して下車準備。デッキで記念写真。なかなかの笑顔でよく撮れました。
数分後には、それがひきつった笑いになるとは、まだ知るよしもなく・・・
<これがうわさの昇降機!!!>
駅に到着し下車したものの・・・ ん?ん?
エレベーターが・・・ 無い!?
線路を挟んだ向こう側の改札口にはどうやって行くんだろうか?
予告はあったけど昇降機って何だろうか?ここで登場か!?
されるがままに運ばれて、いったいどうなるんだ???
それは荷物を運ぶ台車のような形状に、
タイヤの部分がキャタピラになっている乗り物。
それに車椅子ごと乗せてもらった。
これが噂の昇降機だ〜
これが、ゆっくりゆっくり階段の中央を一段ずつ進むのです。
もう一度言いますが、端ではなく中央です!
手すり、壁側ではなく中央です!
体の向きは低い方、(下段)を見下ろす形になるので、進むほどに恐怖と、
初めてのアトラクション体験で笑いが止まらない。怖いのか?楽しいのか?
自分でも何がおかしいのか分からない?????(笑)
昇り切り一安心。
ただ、昇ったということはいうことは・・・・・
下りもあるわけで・・・(汗)
頂上から下り階段を見下ろした時、
頭の中で『蒲田行進曲』の音楽が流れてきました。(笑)(汗)(涙)
ただこれをしないと、改札の外に待機のお迎えの車に乗り込めない。
先に進めないのだ。
よし!覚悟を決めよう!
<なんと!!!他の方法が・・・>
のちに知りましたが、このアトラクションをどうしても避けたい人は、
乗降の近隣の駅を選択することで、(各駅に到着ホームを確認して)行きと帰りで、ホームから改札口、改札口からホームと階段を使わないでも行ける方法があるんだそうです。トホホ〜
まあ、経験に勝るものはない!と思っているので、
この体験も貴重な財産です!
誰でもできる体験ではないので。
選ばれし者だけが体験できるアトラクション!です。^^
<意外なもので代用できる>
無事に改札を出て、お迎えの車に移乗の時は、
左側マヒの私の場合は、右脚をあげて左脚を地面に置いて軸にして乗り込むため、ドアを開けた車中上部にある手すり(これがあることが重要です。)を右手でつかんで乗り込みます。
手動の三倍はある重さの電動車椅子を積んでもらい、さあ、移乗しましょ!
あれ!?
たよりの手すりがない・・・!?
さあ、どうしましょう?
どうやって移乗しようか?
そんな時は〜
なんと!!
ドアの窓を開けると、ガラスのない窓フレームが
手すりにして使えるんです!
ただし、ドアはしっかりとおさえていてください!
それとパワーウインドウのスイッチに触れない様にご注意を!
無事に移乗も完了。
お迎えの車で、会場の今金町へ向かうのでした。
なお、状況は日々変化します。
お出かけの際は、くれぐれもご自身で各問い合わせをしてから、
お出かけくださいませ。
障がい者生活になってからは、出来ない事にぶちあたってへこむよりは、
人の手を借りる事が前提の事や、初めから無理そうな事は、
あきらめてしまう方が自身の気持ちが楽でした。しかし、
、出逢えた人たちによって、
勇気をもってやってみることが大事!
そして何事もやってみなければわからない!
という事を教えてもらいました。
そして旅行も実践できました!
<名言!>
ある人の言葉で、
車椅子対応の設備がバリアフリーでなく、
自分で行けた所、やれたことがバリアフリーなんだよ!!
そのことばが強く心に残っています。
、
お読みいただきまして、ありがとうございました。
それではまた、機会がありましたら・・・
すずき ひろこ